枠にはめない子育て観を【金沢発・女性の活躍】「やまのおうち」安西 好乃美さん 特集
それぞれ違っていて当たり前。子育て期の親とそのお子さんの気持ちに寄り添いたい
エスダムスメディアJAPANでは「ベンチャー・女性の活躍・地方活性化」をキーワードとした特集記事を配信しています。今回は「女性の活躍・地方活性化」をテーマに、金沢市北部の山間部で「木」をツールとした遊び場を提供する「やまのおうち」を拠点に、さまざまな人の思いに寄り添い活動を続ける、安西 好乃美さんを特集します。



【やまのおうち 公式サイト】https://yamanoouchi.work (外部リンク)
筆者が安西さんと初めて「おしゃべり」したのは10年程前。地域にある体育館に併設されたプールで偶然お会いした時でした。学年は違いましたが子ども同士が当時同じ幼稚園に通っており、その時は安西さんの方から話しかけてくれました。あまりにも自由過ぎる息子に悩む筆者の話を、プールで歩行運動しながら優しく聞いてくださり心を解いでくれたことは今でも記憶に新しいです。(筆者の息子は、その間ずっと安西さんのご主人が見てくださり、安西さんの息子さんと共に遊んでいただきました。ありがとうございました!)
その時に初めて「やまのおうち」の存在を知り、それから親子で度々訪ねました。親子の自由過ぎるアイディアもしっかり受け止め、それを必ず愛を持って具現化してくれる安西さんご夫婦でした。時は流れ、今や「やまのおうち」は日本全国に知られる存在となっています。たくさんの人々に共感を呼んでいる安西さんの思いについて、今回取材をさせていただきました。
安西 好乃美(あんざい このみ)さん プロフィール
空間プロデューサー。(株)やまのおうち専務取締役。金沢市出身。
小学校で離島留学、高校でカナダ留学を経験。短大卒業後、小学校の英語のインストラクターとなる。退職後の2014年、木工作家の夫とつくった親子の遊び場「やまのおうち」を皮切りに、さまざまな遊び場やオーダーメイド木工家具のプロデュースを行っている。運営する「やまのおうち」は、訪れる親子に寄り添う新しい「遊び場」である。
金沢の山間部で「やまのおうち」を始められたきっかけをお聞かせください。
安西さん)
ここに「やまのおうち」を作ったのは、たまたま家が山手にあったことと、アトピー体質であるということと、聴覚過敏症で大きな音が苦手で人混みも苦手だったことから、静かな環境の方がストレスをより少なく過ごせるのではないかと考えたからです。単に木工遊びの場を提供したかったからではなく、たまたま主人が「木」を加工できる人だったので、全てを余すことなく利用できる天然素材の「木」をツールとして、子育て期の親子さんそれぞれの自由なアイディアを生み出すお手伝いをしたかったのが、1番の目的です。
「やまのおうち」も1つのツールとしての存在であり、「やまのおうち」と一緒に社会も変化してくれたら良いなと話す安西さん。
安西さん)
留学をしたりその先で旅行をしたりという経験から、さまざまな文化や人々に出会い柔軟な考えを持つようになりました。例えば、障害者・人種・性・年齢などの枠にはめるという考え方は完全に崩れました。
帰国し小学校で英語のインストラクターとして働きましたが、日本の教育機関においては特に自分が留学先で得た柔軟な考え方は珍しいものなのだと痛感しました。日本特有の風土や枠に縛られ「have to:〜しなさい」を軸とした「常に〜しなさい」「正しく〜しなさい」という抑圧された考え方で皆が生きにくさを感じているのを目の当たりにし、それで皆は本当に幸せなの?一体みんなの「want:〜したい!」は何なの?といつも思っていました。
他人に設定されたゴールを目指し、挫折した時に心を病む人が多いことにも気づきました。自分で主体的にゴールを決めて目指せばもっと意欲的に取り組むこともできるし、たとえ挫折をすることがあってもそれを貴重な体験として楽しむことができ、心を病むことなくポジティブに生きられるのではと考えていました。
金沢は雨の日が多く子どもの遊び場もまだまだ少ない地域だったこともあり、日本の教育機関とは違う、子育て期の親子同士がお互いの個性を認め合いながら心地良く過ごすためのルールを作り、「want:〜したい!」を満たしてくれる場所を作りたいと思い「やまのおうち」を始めました。「やまのおうち」が、既存に無いよりフラットでフランクに親子同士で活動できる場所になれたらいいなと思っています。そして「やまのおうち」から「want:〜したい!」の波紋が広がって行くことを願っています。
現在、その思いに共感する地域や企業からの依頼が殺到。それぞれの思いに寄り添いイメージ作りから携わり、「木」を使って施設を作り出す「空間プロデュース」で多忙を極める安西さん。これまで手がけられた3施設についてご紹介いただきました。
もりのあそびば「くるけ」
公式サイト:https://hyaku-warai.jp/playground/kuruke/ (外部リンク)
石川県加賀市の山奥にある「限界集落」とも呼ばれる過疎化が進んだ静かな山村、杉水町。美しい川と森に囲まれた心休まる空間に子ども達の声を呼び戻したい。みんなで森の動物達に会いに遊びにいらっしゃい、という思いが表されています。
ハレノチクモリ
公式サイト:https://harenochikumori.com (外部リンク)
石川県小松市にある親子で楽しめる遊び場。依頼者である、「木」への愛情が溢れるオーナーご夫妻の「木を通して地域に貢献したい。木で何が貢献できるのか。」という思いに寄り添った施設。
つなぐの森 ハリプー
公式サイト:https://ecoken.co.jp/econos/halipuu/ (外部リンク)
愛知県一宮市にある親子で楽しめる遊び場。森の持つ魅力的な世界を表し、あちこちにそのイメージが散りばめられた施設。印象的なメインキャラクターの「ハリプー」はもちろん安西さんの手がけたもの。
安西さん)
人間は皆、地球にある自然から水をもらって生きています。水を私達に繋いでくれているのが森。そしてそこには「木」が育っています。自然が育んだ「木」は全て余すことなく利用ができ、また廃棄されることがあっても土に還ることができます。しかし現在、地球で生まれた人間が地球に戻ることのできないものをどんどん生み出しています。人間と同じ地球に還ることができる「木」を使うことで、いろんなものに感謝するきっかけになれたらいいなと思っています。
株式会社やまのおうち【木工製作・空間デザイン・遊び場制作運営】
・木工制作(家具.遊具.おもちゃ)
https://www.instagram.com/yamano.ouchi/ (外部リンク)
・空間・遊び場制作
くるけ、ハレノチクモリ、泉野福祉健康センター、ハリプー
・親子の遊び場やまのおうち
https://line.me/R/ti/p/@801zwllk (外部リンク)
(予約・キャンセル・人数変更は公式ラインにて)
■編集後記
このみさんは、実は私の英会話の先生でもあります。(現在、英会話教室はされていらっしゃいませんのでご注意!)日常会話を英語に置き換えレッスンしていただく中、子育て期の悩みや愚痴をたくさん聞いていただき、笑いながらしっかり受け止め優しいアドヴァイスをいただきました。「やまのおうち」にはゆったりと流れる時間と愛が溢れています。安西さんファミリーの世界観・価値観に触れることで、新たな目線が生まれ、人と接する上で大事な何かを学ばせてもらっていました。今や金沢の森を飛び出し日本中で活躍されている安西さん。今後のご活躍もとても楽しみにしています!
■ライタープロフィール
Sachienne(金沢市在住)
大切にしている事は、家族を大切にそして自分の人生を楽しむこと!
コロナ禍を転機にすべく、楽しみながら仕事ができるエスダムスメディアJAPANへ飛び込み、自分の新たな可能性を見つけられたらと日夜励んでいます。
会社概要
所在地:石川県金沢市森山1-2-1 FW202
業種:サービス業—PR業務
電話番号:050-3204-0372
関連URL
https://yamanoouchi.work