【金沢で話題の着物美人】年間約600軒のレストランを食べ歩くフードライター 長坂紅翠香(ながさかあすか)さん特集

「食いしん坊は、おいしいもののためなら労力を惜しまない」

 エスダムスメディアJAPANでは、「ベンチャー・女性の活躍・地方活性化」をキーワードとした特集記事を配信しています。今回のテーマは「女性の活躍」です。
 石川県金沢市に、年間約600軒のレストランを食べ歩くフードライターの女性がいます。「あすかりん」こと、長坂紅翠香さん。主に石川県の飲食店に特化して食べ歩きを楽しむ紅翠香さんの公式サイトには、紅翠香さんが「特においしい」と感銘を受けた、厳選された飲食店がずらりと紹介されています。シェフや料理人に敬意を称しながら、日々愛を込めて食の情報を発信している紅翠香さんに、気になる質問を投げかけてみました。

【公式サイト 金沢グルメのバイブル あすかの美味献立】 https://food-japon.com/ (外部リンク)

長坂紅翠香さん

【プロフィール紹介】
長坂紅翠香(ながさかあすか)さん
金沢を中心に年間約600軒のレストランを食べ歩くフードライター。著書に「あすかりんの新おいしい金沢」、「あすかりんのおいしい金沢100店」、「あすかりんのおいしい能登めぐり」がある。日本フードアナリスト協会認定1級フードアナリスト、SSI認定 国際利酒師、食の親善大使「食のなでしこ2013」、能登わじま食の大使、能登ふぐPR大使初代「のと福来むすめ」、スーパースイーツ調理専門学校特別講師、「石川美食会」事務局。食材、伝統工芸、酒、おもてなし、”レストランは文化の集積である”を旨趣に、日本の外食文化を世界に発信することに取り組む。料理デモンストレーションでの料理解説や講演も多数。穴水町生まれ、七尾市育ち。

 

  • 会社員からフードライターに転身。最後のひとさじを入れたのは、ポール・ボキューズ

―子どもの頃から、食べることやレストランに興味があったのですか?

幼少期から食べることが大好きな紅翠香さん

 生まれ育った場所が田舎で、外食とは無縁の地でした。ラーメンや焼肉のお店があるぐらいで、レストランがなかったんです。高校1年生の時に、高校3年生の男性とお付き合いをして、初めてカトラリーがセットされているブラッスリーのようなお店に行きました。初めての体験で「レストランって凄いな。レストランっていいな」と思って。
 そして「食のことがやりたい」「農学部に行く」「お菓子って夢があるな」と思い、大学を卒業後に製菓会社に入り、7年半、企画開発の仕事をしました。研究室から配合割合の異なる製品の試作があがってきて、毎日のようにひたすら食べ比べ。加えて他社の新商品を一通り食べてトレンドを知るのも仕事の内だったので、振り返ると年中ずっとお菓子を食べる生活をしていました。製菓会社にいたと言うと憧れられることも多いですが、たぶん、一日中毎日食べるのはキツイと思います(笑)
 
 
―フードライターの仕事を始めたきっかけは?
 20代で会社員だった頃、週の火曜~木曜が東京出張で。自動的に外食になるので、「限られた給料の中でおいしいものを食べたい」とお店を調べ、ブログに書き始めました。食べることと書くことが好きだったので、それがマッチして。今の前身みたいなことをやっていました。
 外食に求めることは皆同じで「美味しいものが知りたい」。ブログを見てもらえるようになり、それが新聞連載の話に繋がりました。
 
 
―独立までの経緯を教えてください。
 まだ会社員だった20代の頃に、特集の依頼があり受けたのですが、「自分の好きなことでお金をもらえるってこんなに嬉しいことなのか」と実感しました。その後に連載のお仕事もいただいて、これは本腰を入れてやりたいと思い始めました。
 独立のきっかけは、しいのき迎賓館(石川県金沢市)にあるジャルダン ポール・ボキューズ。なんとあのポール・ボキューズ氏本人が来てガラディナーを開催していた時があって。その時出席されていたのは、社長さんばかりでしたが、一人で予約して行きました。その日は木曜日だったのですが、私は会社を休んでポール・ボキューズ氏に会い、「私って、会社を休んでここに来てしまうほど、この世界が好きなんだ」と気付き、会社員を辞めました。最後のひとさじを入れたのは、ポール・ボキューズです。

2010年 ポール・ボキューズ氏(左) が来日し、金沢でのパーティーにて

 
―年間約600軒のレストランを食べ歩く紅翠香さんの、1日の食事の流れは?
 朝ごはんは食べません。昼ご飯は日によりますが、昼も夜もレストランのコース料理になることもあります。そのほかの日は、夜ご飯にコース料理をいただきます。何も予定の無い日は、リストアップしている「行きたいお店」の中から選びます。
 予約の取りづらいお店は1年以上前から予約しています。記事を書く仕事は、いつ何時までにできるという確証がないので、少し余裕を持たせたスケジュールを立てています。
 
 
―外食が多いと気になるのは体重管理。体形維持のためにされていることを教えてください。
 酵素やサプリを取り入れて「食べない」という選択肢を持つモデルさんもいますが、私には「食べない」という選択肢はありません。どれだけ食べても太らなかった時期もありますが、今は食べると太ってしまうので、1日3回体重を測る・1日1時間歩く・夜は腹筋500回を習慣としています。

スタイル抜群の紅翠香さん。食のなでしこ準グランプリ、北國フォトクイーン、能登ふぐPR大使「のと福来むすめ」の就任経験も。

 
―紅翠香さんは、主に石川県に特化して食べ歩きをされているのですか?
 食べることを仕事にしている人は、基本「自分は〇〇のジャンルを得意としている。〇〇に関しては世界一だ」といえるジャンルを持っていると思います。例えば、パン、チョコレート、寿司など。また、フーディーの皆さんは全国の名店を網羅していますが、私はエリアに特化し、“世界に誇る北陸のレストラン”というテーマを掲げて情報発信しています。

金沢グルメに関する著書も多数出版

 
―石川県の「食」について思うことをお聞かせください。
 地方での「食」に求められているものは特に、この場所ならではの料理、ここでしか食べられない食材だということ。ひと昔前は、地方のお店にはほぼ地元客しかいなかったから、海外から輸入した食材や、高級食材などが華だったけれど、今は地元食材がフォーカスされるようになりました。
 地方の強みは生産者と近いこと。ファームトゥーテーブル、ネイチャートゥーテーブルが地方レストランの魅力なので、そういうレストランが増えてほしいし、楽しみに来てもらいたいと思っています。また、地元の珠玉食材を、シェフの手によって素晴らしい料理に昇華することで、生産者さんのモチベーションも上がります。そこに良い相乗効果が生まれてほしいという思いから、シェフに農家さんを紹介することもあります。
 いいものを作ったら世界から人が来る時代。食いしん坊は、おいしいもののためなら労力を惜しみません。どんなにアクセスが困難であろうが、どんなに予約困難であろうが、そこでしか食べられないおいしいものがあるなら絶対に行く。私も行きます。「食」には、それだけの求心力があります。

「食いしん坊は、おいしいもののためなら労力を惜しまない」

  
―今後、やりたいと思っていることはありますか?
 今一番やりたいことは、海外でポップアップストアを出店すること。マレーシアやドバイに日本人シェフを連れて行って出店したいです。とっかかりがないからできないと思っていたので、先日ドバイに行ってきました。
 「人に求められていないことを一生懸命やり続ける」のが私のスタンス。好きなことを、人から求められていなくても全力でやります。身軽なのが自分には合っていて、経営者になって誰かを雇うというより、フットワーク軽く、一生プレーヤーでいたいという思いが強いです。スケールの大きなことをバンとやることはできないけど、女性には女性の稼ぎ方があると思っていて。ぼろ儲けできなくてもいいから、自分が好きなことを楽しく、ハッピーに。ちょっと世の中に貢献しながら、自分にとってもモチベーションが上がることをやっていきたいと思っています。自分のご機嫌は自分で取る。
 
食は経験、経験は財産。つまり、食は財産!


フードライター 長坂紅翠香(ながさかあすか)
【公式サイト 金沢グルメのバイブル あすかの美味献立】 https://food-japon.com/ (外部リンク)
【Instagram】 https://www.instagram.com/asukarin_kanazawa/ (外部リンク)
【Twitter】 https://twitter.com/aska0623/ (外部リンク)
【Facebook】 https://www.facebook.com/foodanalyst.asukarin/ (外部リンク)
 
 
■編集後記
 紅翠香さんの公式サイト美味献立では、紅翠香さんが自費で料理を注文し、お店に対して忖度のないレポートが綴られています。その料理解説やお店の紹介、掲載写真からは、シェフや料理人に対する尊敬の思いが伝わってきます。石川県内で本当においしいお店を探している方は、紅翠香さんの公式サイトをご参考にお店を選ばれてはいかがでしょうか。

学生時代の紅翠香さん

 ここからは余談ですが、取材中、漫画「君は放課後インソムニア」(著者:オジロマコト氏)の話が出たので、こちらも少し記載します。石川県七尾市を舞台とした当漫画が、2023年4月にアニメ化され、同年6月23日に映画化されます。劇中に登場する高校は、紅翠香さんの母校である七尾高校がモデルとなっており、校内の天体室も七尾市の風景もぴったり描かれているそうです。
「地元が映画やアニメになるのは嬉しい。自分も不眠症で、映画の公開日が私の誕生日ということもあり、勝手に運命を感じています。昔から通っていたカフェも登場していて、本当に嬉しい。」
と笑顔で話されていました。紅翠香さんの公式サイトに掲載されているお店も登場しています。要チェック!

 
 
■ライタープロフィール
Elica(石川県金沢市在住)
建築会社、イベント会社、印刷会社などでの勤務を経て、エスダムスメディアJAPANへ。
『誰かの想いを形にして世の中に届けること』に面白みとやりがいを感じています。
まだまだ知られていない『いいもの』が世の中に伝わっていきますように。
 

会社概要

エスダムスメディアJAPAN株式会社

代表者:山口 貴子

所在地:石川県金沢市森山1-2-1 FW202

業種:サービス業—PR業務

電話番号:050-3204-0372

URL:https://sdums.net/

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