お寺で将棋やろまいかい!「寺将会」を主催する松浦 優教さん特集
金沢で気軽に将棋を楽しめる場を!幅広い世代に将棋の楽しさを伝えたい
エスダムスメディアJAPANでは、「ベンチャー・女性の活躍・地方活性化」をキーワードにライター独自の視点による特集記事を配信しています。今回は、石川県金沢市で将棋教室「寺将会(じしょうかい)」を主催する松浦 優教(まつうら ゆうきょう)さんを特集します。北陸鉄道浅野川線沿いの閑静な住宅街にあるお寺さん「安養寺(あんようじ)」では、子どもから大人まで気軽に将棋を楽しめる「寺将会」が開催されています。
筆者の子どもたちも毎週通い詰める寺将会。将棋大好きな長男と、普段は外遊びが大好きな将棋初心者次男も通う寺将会の魅力をご紹介。
















石川県金沢市にある将棋教室「寺将会(じしょうかい)」
寺将会のブログnote:https://note.com/yukyo_m (外部リンク)
【プロフィール紹介】 松浦 優教(まつうら ゆうきょう)さん 石川県金沢市出身 棋力はアマチュア三段 |
- SNS等で活動を公開して将棋を広める工夫
寺将会の誕生は、藤井 聡太さんのデビューと同じ2016年。子どもたちの将棋ブームが加速し始めた年でした。寺将会主催の松浦さんは、将棋に興味を持つ人が増える中で、「どこで将棋ができるのか」「どうやって習わせたら良いのか」など、興味を持ってから将棋を始めるまでのハードルが高いのではないかと感じていたそうです。東京、大阪など将棋が盛んな地域では、将棋をさす場所がたくさんあり参加されている方も多いが、金沢では場所も競技人口も少ないことがわかり、「無いなら作ってしまえ!」と自分のために始めたことが寺将会を立ち上げるきっかけだったそうです。「自分のために始めたことでしたが、子どもたちが強くなり、またここで出会った仲間が良いライバルになっていくことで喜んでもらえていると実感しています。自分だけの喜びだったことがみんなの喜びになっていくことが嬉しかったです。」と話します。
寺将会は、松浦さん一人で運営されており、多くの人々が気軽に将棋を楽しめるように日記アプリやYouTube Live、将棋大会などを通じて将棋教室の雰囲気や活動の中身を公開しています。「将棋道場や将棋教室ってちょっと怖いイメージがあると思うんです。雰囲気や中身がよく分からない、と言う方が正確かもしれません。言うなれば公開されている情報が少ないと思うんです。よく分からないから、ちょっと怖いかもって感じですね。これが公文だったり英会話教室、サッカークラブなら、そんなことはないと思うんです。将棋ってそれらに比べたらやっぱりマイナーだから認知度が低いのは仕方ありません。ならば少しでも雰囲気や中身がわかるような工夫が必要なんじゃないかなぁ、と思っています。」と語る松浦さん。

毎週たくさんの人が寺将会を訪れています。

本堂に入って仏様へ手を合わせた後にまず行うのは詰将棋。詰将棋に挑む子どもたちの真剣に取り組む姿は凛々しいです。

毎回恒例締めのじゃんけん大会 松浦さんに勝った子は景品がもらえます。
- 多くの人に将棋を楽しんでもらいたい!
「子ども達が“今”必要なものをキャッチし、素早く実行することを心がけています。」と話す松浦さん。小さい子どもや女の子も楽しめるようにどうぶつ将棋やハート将棋、鬼滅の刃将棋など、さまざまな将棋セットを用意したり、ホワイトボードに大盤を用意して大人&子ども達で解説を体験してもらったりしています。食事などで休憩室にいる子ども達も楽しめるよう、また自宅にいるご家族にも様子が分かるよう子ども達の対局をYouTube中継するなど、その時々に必要なものを考え、さまざまな取り組みをされてきました。筆者が松浦さんのその熱意と行動力を一番感じたのは、2020年の春でした。コロナ禍で最初に休校になった日、翌日の寺将会は朝9時から夜まで解放という大胆な案内があったのです。突然の休校でどうしたら良いのか不安な中、子ども達には休校が大きな喜びに変わり、仕事へ行く親御さん達もとても助かった出来事でした。松浦さんも当時のことを「休校の案内が出てすぐにこの日の開催時間を決めました。本当にやって良かったと今でも自慢に思える日です。」と話していました。
その後、お寺での開催が自粛期間に入るも、今度はZoomを使用して寺将会を再開。将棋アプリを使った対戦が企画されました。「Zoomでは参加者全員の顔が映り、同時に1つの対局を中継することで待ち時間も楽しめるよう工夫しました。自粛ムードの中でも将棋を楽しみ、またみんなにも見てもらえている。一緒に将棋を指しているという一体感も得られたことが子ども達にとって本当に良かったと思います。子ども達が『会えなくても独りじゃない』と友達とのつながりを感じられる貴重な体験となりました。」

将棋漫画を読んで休憩中。

どうぶつ将棋、ハート将棋を楽しむ子ども達。ハート将棋は女子に人気だそう。

みんなで大盤解説!
- 小学生将棋大会の開催
2020年には、金沢のお寺で小学生将棋大会「寺王戦(じおうせん)」をお坊さんによる初の大会を開催。「お寺という和の空間で子ども達に最高の将棋環境を提供する」という理念のもと開催されました。寺王戦は、その名の通りお寺を会場として開催される将棋大会です。他大会には無い魅力として、お寺の風情に包まれながら、落ち着いた雰囲気の中で将棋の醍醐味を味わえるのが特徴です。また、決勝戦は奥座敷で開催、大盤ライブ解説や、決勝戦をYouTubeにアップ、優勝者は次回ポスターモデルになれる!など、内容は盛りだくさん。

寺王戦の優勝者は翌年のポスターモデルになれます。(左)令和2年のポスター (右)令和3年のポスター
特に、奥座敷で行われる決勝戦は参加者・見学者全員が注目する一戦!いつも一緒に頑張っている友達が、一生懸命に将棋を指している姿を見ることにより、みんなの憧れの舞台となっています。また、付き添いで来られる親御さんや兄弟姉妹が退屈しないよう、フリースペースやじゃんけん大会などの催しをご用意。初心者でも気軽に参加でき、将棋を楽しめる環境が整備されているのも特徴です。将棋を通じて、子ども達が集中力や思考力を養い、また、家族が一緒に楽しむことで、家族の絆を深めることができると考えられます。将棋が身近になることで、将棋文化を次代に繋げていくことができるでしょう。

第一回寺王戦 決勝の様子

開会式は本堂で!

女流棋士もお招きしてフリー対局
寺王戦は、2023年より北陸ジュニア竜王戦と合体し、一つの大会になります。一緒になってパワーアップする本大会は、金沢表参道のフェスとコラボを予定しており、美味しい加賀能登グルメや素敵なコンサートを満喫できます。また金沢幼稚園の協力を得て託児スペースも開設予定で、小さいお子様連れも安心して参加できます。寺王戦に引き続き、YouTube Live配信、プロ棋士による指導対局、参加賞としての素敵なプレゼント、豪華な優勝景品も用意されています。
■大会概要
第2回北陸ジュニア竜王戦
本大会:2023年9月18日(月・祝)
予選:2023年7月に富山、石川、福井の3県で実施
追加情報は決定次第こちらのアカウントでご案内となります。
https://twitter.com/yomihoku_jrryuo (外部リンク)
■寺将会
代表:松浦 優教
活動場所:石川県金沢市諸江町下丁203 安養寺
活動日:毎週金曜日 (17:00〜20:00)
ブログnote:https://note.com/yukyo_m (外部リンク)
Twitter:https://twitter.com/jisyoukai (外部リンク)
Facebook↓:https://ja-jp.facebook.com/otera.de.shogi/(外部リンク)
YouTubeチャンネル(てら丸くんTV):https://www.youtube.com/channel/UCeupws8Izpvbj4Tz81mJcjA?view_as=subscriber(外部リンク)
■編集後記
自分が楽しむためにと寺将会を始められ、参加者が増えるうちにみんなの喜びが自分の喜びになり、みんなが楽しむためにはどんなことを取り入れたら良いかと常に考えられていることが本当に素晴らしいですし、松浦さんはお坊さんでありエンターテイナーだなと感じました。そして本当に子どもたちが楽しむために必要なことをよく考えてくれているなと思います。筆者の子ども達が通い始めた頃のエピソードがひとつあります。寺将会の参加人数が増えてきた時期、会場ではある変化がありました。それは、松浦さんが提供してくださっていた甘茶とお茶菓子の減りが早くなったこと。筆者の子ども達もそうだったのですが、この頃将棋が大好きすぎて17時から21時まで食を忘れて対局し続ける子どもが何人かいたそうです。ある日松浦さんから筆者へ電話が。「子ども達のためにカレーを提供しようと思うんです!」なんともびっくり嬉しいご提案でした。子どもが好きなだけ将棋を楽しめる場を提供してもらっているだけでもありがたいというのに、この上夕食のご提案まで!と思い、「ぜひ!お願いします!」とその場でお返事したのを覚えています。簡単な食事を持たせても一人では食べなかった子ども達ですが、休憩室で友達の対局を見ながらああだこうだと解説しつつみんなでカレーを食べていた時間もまた楽しそうでした。金沢の将棋界に次々と新しいチャレンジを続けていく松浦さん。次はどんな仕掛けをされるのか楽しみです!
■ライタープロフィール
ハマちゃん(石川県金沢市在住)
企業・団体が情報発信するプレスリリースの仕事に興味を持ちエスダムスメディアJAPANのチームに参加。
*記事内の写真 引用)「寺将会」noteより*
会社概要
代表者:山口 貴子
所在地:石川県金沢市森山1-2-1 FW202
業種:サービス業—PR業務
電話番号:050-3204-0372
関連URL
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